2種類の帯状疱疹ワクチン:「シングリックス®」と「乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン®)」~違いと選び方(令和7年度、川崎市の公費助成にも対応)

帯状疱疹は、過去にかかった水ぼうそうのウイルスが再活性化することで発症します。
加齢・ストレス・免疫力の低下などが引き金となり、発疹や神経痛(帯状疱疹後神経痛:PHN)などを引き起こすことがあります
繰り返し発症することもあり、特に50歳以上では発症率が急増するため、ワクチンでの予防が非常に重要です。

現在、日本で接種可能な帯状疱疹ワクチンは2種類あります。
今回はその違いと、川崎市の公費助成制度(令和7年度対応)について詳しく解説します。


◆ ワクチンの比較:効果・副反応・接種条件など

▼ 効果の持続(厚生労働省資料より)

接種後の年数不活化ワクチン(シングリックス®)生ワクチン(ビケン®)
1年後約90%以上の発症予防効果約60%の発症予防効果
5年後約90%約40%
10年後約70%

▼ 主な副反応(発現頻度)

発現頻度不活化ワクチン(シングリックス®)生ワクチン(ビケン®)
70%以上注射部位の疼痛
30%以上注射部位の発赤、筋肉痛、疲労感注射部位の発赤
10%以上注射部位の腫れ、胃腸症状、悪寒、発熱注射部位のかゆみ・熱感・腫れ・痛み・硬結
1%以上かゆみ、倦怠感、全身の痛み発疹、倦怠感

◆ どちらを選ぶべき?

比較項目不活化ワクチン(シングリックス®)生ワクチン(ビケン®)
接種回数2回(筋肉注射)※2か月間隔1回(皮下注射)
対象年齢(自費)18歳以上(免疫が低下している方を含む)50歳以上
長期予防効果約10年以上持続約5年
免疫力が低下している方接種可能接種不可
自費価格(当院)22,000円 × 2回(税込)8,000円(税込)
公費価格(川崎市)10,000円 × 2回(税込)4,000円(税込)

◆ 川崎市の制度による公費接種【令和7年度(2025年度)】

当院では、川崎市の助成制度に基づく帯状疱疹ワクチンの定期接種(1人1回限り)を実施しています。

▼ 対象年齢

65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳になる方が対象です。
(2025年4月1日~2026年3月31日までに該当年齢に達する方を含みます)

詳しくは:
令和7年度帯状疱疹ワクチン接種対象者一覧(PDF)

▼ 接種券と予約について

  • 対象の方には、川崎市より2025年6月下旬頃に接種券(予診票付き)が郵送されます。

制度の詳細はこちら:
帯状疱疹ワクチン公費接種について(川崎市公式)


◆ まとめ

  • 帯状疱疹はワクチンで予防可能です。特に高齢の方には、発症や後遺症を防ぐための接種を強くおすすめします。
  • それぞれのワクチンの効果や副反応、価格を理解し、ご自身に合った方法で予防を選びましょう。
  • 当院にて接種ご希望の場合は、ワクチン取り寄せが必要となるため、電話にてご連絡ください。