お薬でお腹がいっぱい

外来で診療していると、お薬でお腹がいっぱいです、などと言われることがあります。
実際、厚生労働省から発表されているデータによると、65~74 歳の方の約3割、75 歳以上方の4割以上で5種類以上の薬が処方されております。
たくさんの薬を内服していることは、「ポリファーマシー」ともいわれ、各々の薬はよかれと処方されているにも関わらず、飲み合わせなどの影響で、好ましくない症状が出てしまうこともあります。
https://www.mhlw.go.jp/content/11125000/000926906.pdf

もちろん、年齢とともにご病気も増え、必要なお薬が増えていくのは致し方ない方もおります。
一方で、ご病気だと思っていたのが実は薬の副作用であったということもあります。

例えば、喘息の気管を広げる薬は、脈が早くなる(頻脈)ことがあります。
喘息の薬を調節すれば症状が改善する可能性があるのですが、脈が早いことに対して追加でお薬を内服して、どんどんお薬が増えてしまっていることもあります。(もちろん、致し方ない場合もありますが。。。)
このようなことは、A病院に心臓のカテーテル治療後で、B呼吸器内科クリニックに喘息で、C整形外科に腰痛で受診している、などの場合に多い印象です。

その他にも、

 ・高血圧の薬で咳が出る
 ・腰の痛み止めで胃がいたくなる
 ・アレルギーの薬で眠くなる

など、薬のよって様々な事が起こりえます。

当クリニックでは総合内科として、内服薬をしっかりと把握し、可能な限り調節するように心がけております。
「お薬でお腹がいっぱいです」という方は、遠慮せずにご相談ください。