血管年齢

血管年齢といっても、どのような検査で何を指標に判断するかで判定結果は変わりえます。
血圧脈波測定検査は、体への負担がほぼなく、簡単にできることから、血管年齢を推定する検査として広く用いられております。
検査方法は仰向けに寝た状態で両腕・両足首の血圧と脈波を測定するのみで、実際、5分程度で結果が出ます。
結果について

血圧脈波測定検査ではABI (Ankle-Brachial Index)とbaPWV (brachial-ankle Pulse Wave Velocity)が動脈硬化の程度を示す数値として測定されます。

● ABI: Ankle-Brachial Indexとは

足首収縮期血圧/上腕収縮期血圧がABIの数値として算出されます。寝た状態で血圧測定をすると、動脈の狭窄がなければ上腕よりも足首の血圧の方が少し高くなります。
一方で、下肢の動脈が狭くなったり詰まったりしていると、足首の血圧が低下し、ABIも低い値となります。
一般的に、
ABIは0.9~1.3が正常値
で、理想的には1.1ぐらいと言われています。

ABIが0.9以下の場合には、下肢動脈の精査

が推奨されています。

● baPWV: brachial-ankle Pulse Wave Velocityとは

baPWVは心臓の拍動(脈波)が動脈を通じて上腕、足首に伝わる速度(脈波伝播速度)の測定値となり、動脈の硬さの指標となります。

動脈が柔らかいと、拍動(脈波)は血管壁で吸収されるため、ゆっくり伝達します(baPWVは低値となります)。
一方で、動脈硬化が進んだ硬い血管では、拍動(脈波)が血管壁で吸収されず、速く伝達します(baPWVは高値となります)。
年齢により基準値があり基準値より計測値が高いと、動脈硬化が進んでいる、ということになります。

一般的に、

 ・baPWV 1800以上は高リスク
 ・60歳未満でbaPWV 1400以上は生活習慣改善が推奨

とされております。
機種によっては、CAVI (Cardio Ankle Vascular Index)という値が測定されますが、baPWVとCAVIはともに動脈の硬さを評価する指標です。

● 予防

血管年齢が進んでいるからと言ってすぐに症状に直結するわけではありませんが、血管に弾力がなくなると血圧も高くなりやすくなります。
脳卒中や心筋梗塞の予備軍とも言えます。食事・運動に気をつける、合併している病気によっては内服治療を調節する、などで血管年齢は改善することがあります。


当院では、血圧脈波測定検査を実施し、必要なかたには食事・運動の指導、内服治療まで一貫して行っております。血管年齢が気になるなどでもお気軽にご相談ください。