心筋梗塞・狭心症（虚血性心疾患）

心筋梗塞・狭心症（虚血性心疾患）とは

心臓には、冠動脈という心臓の筋肉（心筋）に酸素と栄養を供給している動脈があります。
大きな3本の血管が心臓の表面を冠のように覆って分布しているため「冠動脈」と呼ばれております。
心筋梗塞・狭心症は、冠動脈での動脈硬化が原因となり、血管がつまったり、細くなったりして、心筋への十分な酸素が供給できなくなることで生じます。
主な症状は、胸の痛み、圧迫感ですが、冷や汗を伴ったり、顔色が悪くなったり、吐き気を伴うこともあります。
冠動脈での動脈硬化に対応することが最優先ですが、将来的にこれ以上動脈硬化を進行させないことも大切です。

当院の心筋梗塞・狭心症診療について

当院の院長は、基礎・臨床研究、心筋梗塞・狭心症（虚血性心疾患）に取り組んでまいりました。
具体的には、

• 心筋梗塞後にダメージを受けた心筋を再生できないか
• 心筋梗塞や狭心症の患者さんにおいて、個々人における最適な治療はなにか
  （年齢や合併している病気に応じて、治療を検討することが重要）
• 心筋梗塞や狭心症になってしまった後、どのような内服をすべきか

などに取り組んできました。
患者さん個々人に応じた最適な治療を提供いたしますので、胸部症状がある場合はもちろんですが、気になる症状があれば遠慮なくご相談ください。

心筋梗塞

心筋梗塞では、冠動脈が閉塞し、心筋への酸素供給が途絶えます。
酸素が途絶えているため、心筋は障害（ダメージ）をうけ、強い胸痛を自覚します。
生命に関わる不整脈が生じることも多く、死亡率は40%とも言われております。
そのため迅速な対応が求められる病気です。

心筋梗塞の検査について

心電図、採血、心エコー検査にて迅速に診断を行う必要があります。
さらに心臓に広く分布している冠動脈のどの部位が詰まってしまっているかを判断するために緊急でのカテーテル検査（足あるいは手の動脈から細いプラスチック製の管「カテーテル」挿入し、心臓まで到達させます。心臓で冠動脈に造影剤を注入することで、冠動脈の状態をみることができます）を行います。
カテーテル検査は、当院では行えないので、救急車にて緊急で対応いただける病院に搬送となります。

心筋梗塞の治療について

心筋梗塞の治療としては、カテーテルで詰まった血管を診断した後、そのままカテーテルを用いて閉塞した冠動脈の血流を回復させます。
状況に応じて、詰まった血のかたまり（血栓）を吸引したり、バルーンと呼ばれる風船をふくらませて血管を広げたり、ステントと呼ばれる金属の筒を留置したりします。
幸い、一命をとりとめても、再発してしまう場合や心筋の障害が大きく心不全を合併してしまう場合もあります。
心筋梗塞後は、再発予防・健康な生活維持のために食事・運動療法や内服加療は必須となります。

狭心症

狭心症では、冠動脈が狭くなってしまったために心筋への酸素供給が低下しております。
そのため、急ぎ足で歩いたり、階段・坂道を登る（労作時）など心臓の負担が大きくなると、胸が圧迫される、あるいは締め付けられるような痛みを自覚します。
少し休むと症状が改善することも特徴です。

狭心症の検査について

狭心症の診断には、まず体への負担が少ない心電図・胸部X線・心エコー・ホルター心電図・冠動脈CT検査などから行います。
これらの検査結果で狭心症の疑いが強ければ、入院の上、心臓カテーテル検査を行います。

狭心症の治療について

狭心症の治療には、症状を軽減する薬剤（心臓への負担をとるβ遮断薬やニトロ製剤など）を用いたり、狭くなって冠動脈をカテーテル治療にて拡張する手術（カテーテル手術）を行ったりします。
重症例では、狭窄した冠動脈の先に別の血管をつなげる手術（バイパス手術）を行うこともあります。
患者さんの状態やカテーテル検査の結果を踏まえて、治療方針は相談しながら決定します。
症状が安定したあとも、動脈硬化が進行しないように食事・運動療法や内服加療を行っていきます。