睡眠時無呼吸と予後

睡眠時無呼吸は心血管死亡をふやす

睡眠時無呼吸症候群は多くの病気が合併することが知られておりますが、注目すべきは、心血管疾患による死亡率が高いということです。
2005年の報告によると、重症睡眠時無呼吸症候群(AHI 30以上)のかたは、健康な人と比べて、心血管死亡のリスクが2.87倍になるとされております。
一方で、CPAP療法を行うことで、健康な人と同じくらいまで心血管死亡のリスクを低下できることが示されております。(1)
適切にCPAPを使用しましょう
 
CPAP療法は適切に行うことも重要です。
少なくとも一夜あたり4時間以上、毎日使用することで、高血圧や心血管イベントの発症を抑えられることがわかっております。(2)
また、4時間以上の使用は、日中の眠気も改善します。
当院では、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方に対しては、まず、簡易「睡眠ポリグラフ検査(PSG)」を行い、必要に応じて精密検査を行うことで、重症度も含めた診断を行っております。
また、CPAPでの治療開始後は、CPAPの使用時間などから、適切にCPAPを使用できているか、そして、睡眠時無呼吸が改善しているも確認いたします。


参考文献

1.	Marin JM, Carrizo SJ, Vicente E, Agusti AG. Long-term cardiovascular outcomes in men with obstructive sleep apnoea-hypopnoea with or without treatment with continuous positive airway pressure: an observational study. Lancet 2005;365:1046-53.
2.	Barbé F, Durán-Cantolla J, Sánchez-de-la-Torre M et al. Effect of continuous positive airway pressure on the incidence of hypertension and cardiovascular events in nonsleepy patients with obstructive sleep apnea: a randomized controlled trial. Jama 2012;307:2161-8.