予防接種
予防接種とは
予防接種は細菌やウィルスなどの病原体からつくったワクチンを接種することによって特定の病気になりにくくし、またたとえその病気になったとしても軽く済むようにします。
当院では、下記のワクチン接種を予定しております。
新型コロナワクチンの接種を実施しております。予約なしでも接種できますが、ワクチン準備のため30分以上お待ちいただくことがあります。極力、WEBにてご予約をお願いいたします。
肺炎球菌ワクチン、MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)、HPVワクチン(シルガード9価)の公費接種も行っております。こちらは、ワクチン取り寄せのため、電話でのご予約が必須となります。
なお、風しん(MRワクチン)の予防接種を公費で行うためには、風しん抗体価の確認が必要となります。公費対象者は、当院にて抗体検査(無料)が可能です。
その他、自費接種も行っております。要予約となるため、ご希望の方は電話にて連絡をお願いいたします。
当院の取扱予防接種一覧と料金(税込)
ワクチン名 | 公費助成 | 自費(税込) |
---|---|---|
新型コロナ | 3,000円 | 16,000円 |
インフルエンザ | 2,300円 | 3,500円 |
肺炎球菌(ニューモバックス) | 4,500円 | 9,000円 |
RSウイルスワクチン(アレックスビー) | - | 26,400円 |
帯状疱疹(乾燥弱毒生水痘ワクチン) | - | 8,000円 |
帯状疱疹(シングリックス) | - | 22,000円 x2回 |
MR(麻しん風しん混合) | 3,200円または0円 | 9,900円 |
おたふくかぜ | - | 6,000円 |
B型肝炎(ビームゲン・ヘプタバックス) | - | 6,000円 x3回 |
HPVワクチン(シルガード9価) | 0円 x3回 | 29,000円 x3回 |
注射生ワクチン(MRワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンなど)を複数回接種する場合は、注射生ワクチン同士の接種間隔を27日以上空ける必要があります。
コロナワクチン接種の前後2週間はインフルエンザワクチン、破傷風トキソイド以外のワクチンを接種することができません(状況により変わることがあります。新たな情報があれば、お知らせなどにてお伝えいたします)。
それ以外のワクチンの組み合わせでは、接種間隔の制限はありません。
公費の予防接種について
公費助成対象者の方は以下より、ご確認願います。
新型コロナワクチン
新型コロナワクチンは、現在世界的に流行している新型コロナウイルス感染症に対して発症を予防する効果があり、また発症してしまった場合も重症化を予防する効果が確認されています。
発熱や注射部位の痛み、頭痛、関節痛などの副反応が認められることもあります。
詳しくはこちらのブログをご覧ください。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは、インフルエンザの発病率を約60%減らすことができ、インフルエンザによる高齢者の死亡を約80%阻止する効果があります。
接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、その効果は約5ヶ月間持続します。
インフルエンザは例年12月~3月頃に流行するので、毎年10月~12月に接種することをおすすめしております。
ワクチンの効果の持続期間と、インフルエンザウィルスは毎年違う種類が流行することから予防接種は毎年行う必要があります。
高齢者を対象とした定期のインフルエンザ予防接種を川崎市で行っております。公費助成の対象者など、詳しくは川崎市のホームページをご確認下さい。
肺炎球菌ワクチン
2021年のデータによると、死亡原因の約8.5%が肺炎・誤嚥性肺炎となっております(厚生労働省発表)。
肺炎の原因菌で最も多いのが肺炎球菌です。
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぎます。
- 65歳以上の方
- 養護老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
- 慢性の持病(呼吸器疾患(COPDなど)、糖尿病、慢性心不全、肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患)をお持ちの方
には、特に肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されています。
接種は、1年を通していつでも可能です。
ただし、5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みなどが強く出ることがありますので、再接種は5年以上の間隔をあけてください。
高齢者を対象とした定期の肺炎球菌ワクチン接種を川崎市で行っております。公費助成の対象者など、詳しくは川崎市のホームページをご確認下さい。
帯状疱疹ワクチン
水痘や帯状疱疹ウィルスに初めて感染すると水痘(みずぼうそう)として発症し、水痘が治癒した後も神経節とよばれる場所にウィルスが潜伏し続けます。
その後、加齢や過労、ストレスなどが引き金となってウィルスが再活性化すると神経の走行に沿って発疹や疼痛を生じます。
これが帯状疱疹です。
帯状疱疹の発症率は50歳を超えると急激に増加します。
皮膚症状が改善したあともピリピリとした痛みが残ってしまうことがあり、帯状疱疹後神経痛と呼ばれています。
帯状疱疹ワクチンは、帯状疱疹の発症を完全には予防できませんが、帯状疱疹後神経痛の発症率を大きく抑制できることが報告されています。
帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹のワクチンには「シングリックス®」と「乾燥弱毒生水痘ワクチン」があります。
「シングリックス®」は2回の筋肉内接種が必要であり、2カ月間隔での接種となります。1回目の接種から2カ月を超えた場合は、6カ月後までに2回目の接種を行います。
高価ではありますが、帯状疱疹の発症および後遺症の予防効果が約90%と、高い有効性を誇ります。また予防効果が少なくとも10年持続することが分かっています。
以前は50歳以上の方が対象となっておりましたが、2023年6月から帯状疱疹にかかるリスクが高いと考えられる場合は、18歳以上であれば接種可能となりました。
「乾燥弱毒生水痘ワクチン」は安価で接種が1回の皮下注射で済みます。
しかし、帯状疱疹の発症および後遺症の予防効果はそれぞれ50%と70%程度であり、「シングリックス®」に劣ります。
また接種から5年程度で効果が大きく減弱します。
「乾燥弱毒生水痘ワクチン」はウィルスを弱毒化した「生ワクチン」となります。
MRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)
麻しん(はしか)は感染力が非常に強く、高熱でつらい感染症というだけでなく、肺炎や脳炎なども合併することがあり、時には命にかかわることもある感染症です。
風しんは発熱・発疹の症状が現れる病気ですが、一番の注意点は、妊婦さんの感染です。
妊娠20週ころまでの妊婦さんが風疹ウィルスに感染すると、先天性心疾患や難聴、白内障などを特徴とする先天性風疹症候群の子供が生まれてくる可能性があります。
先天性風疹症候群は、妊娠を考えている方やその周囲の方々が風疹ウィルスに対する免疫をしっかり備えておけば予防することができます。
当院で麻疹、風疹に対する抗体を採血検査にて確認することができます。
麻疹では、抗体が16.0未満(EIA法-IgG)、
風疹では、抗体が8.0未満(EIA法-IgG)
であれば、抗体不十分で、ワクチン接種が推奨されます。
麻疹、風疹ともに、抗体が2.0未満(EIA法-IgG)の場合は、2回の接種が推奨されます。
当院ではMRワクチン(麻しん風しん混合ワクチン)を使用していますが、単独ワクチンと比較して健康上の問題が加わることはありません。
MRワクチンはウィルスを弱毒化した「生ワクチン」となります。
妊婦さんに打つことはできないので、注意してください。
風しんの追加的対策を川崎市で行っておりますので、公費助成の対象者など、詳しくは川崎市のホームページをご確認下さい。
おたふくかぜワクチン
おたふくかぜ(ムンプス、流行性耳下腺炎)は、片側あるいは両側の耳下腺の痛みを伴う腫れと発熱を生じます。
約1~2週間程度で自然に治癒しますが、成人では小児と比較して重症化しやすいです。
おたふくかぜワクチンはウィルスを弱毒化した「生ワクチン」となります。
ムンプス抗体が4.0未満(EIA法-IgG)であれば、抗体不十分で、ワクチン接種が推奨されます。また、2.0未満(EIA法-IgG)の場合は、2回接種が推奨されます。
B型肝炎ワクチン
B型肝炎ウィルスに感染すると、急性肝炎を起こしたり、長く棲みついて(キャリア化)、肝硬変や肝がんを引き起こしたりすることがあります。
B型肝炎ワクチンは、B型肝炎ウィルスの感染予防に極めて有効かつ安全性の高いワクチンであり、すべての年齢の方に接種をお勧めします。
特に他者の血液や体液に触れる可能性が高い職業に従事している方(医療従事者、救急隊員、警察官、保育士、介護職員等)や性的な活動性の高い方は、積極的な接種をご検討ください。
接種は3回必要であり、
2回目は、1回目接種の4週間後以降、
3回目は、1回目接種から20週~24週での接種
が推奨されております。
なお、HBs抗体を調べることで、B型肝炎ウィルスに対する抗体があるかを確認できます。10.0 mIU/mL未満(CLIA法)であれば、抗体がないと判断されます。
HPV(シルガード9価)
子宮頸癌の原因はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスです。
HPVには種類があり、16,18型をはじめとした15個程度の型が、がんを引き起こしやすい型とされています。
HPVワクチンについて
- シルガード(9価):HPV6,11,16,18,31,33,45,52,58型
- HPV6,11,16,18型に対応したガーダシル(4価)よりも有効性が高いとされております。
15歳以上の方は、3回接種が必要で、2回目、3回目は初回から2ヶ月後、6ヶ月後を目処に接種となります。
対象年齢の方は公費(無料)で接種することができます。
詳しくはこちらのブログをご覧ください。